ブルベアファンドが危険な理由:ボラティリティの罠

資産運用

「ブルベアファンド」は、日々の株価指数の変動率に倍率をかけて運用されるファンドです。相場の上昇・下落どちらでも利益を狙える可能性がある一方で、特に相場が上下する「ボラティリティの高い」局面で、大きな損失につながるリスクを抱えています。

この記事では、ブルベアファンドがなぜボラティリティに弱いのか、具体的な例を交えてわかりやすく解説します。


ブルベアファンドとは?短期決戦のハイリスク商品

ブルベアファンドは、日々の株価指数の変動率に、特定の倍率をかけて運用されます。

  • ブル型(レバレッジ型):指数が上昇すると、その何倍かのリターンを狙います。
  • ベア型(インバース型):指数が下落すると、その何倍かのリターンを狙います。

一見すると効率よく資産を増やせそうですが、これは短期的な相場の方向性を正確に予測できた場合に限られます。長期的な資産形成には全く向いていません。


ボラティリティに弱い「複利の罠」とは?

ブルベアファンドの最大の危険性は、日々の値動きが積み重なることによって発生する「複利の罠」です。これにより、元の指数が同じ価格に戻っても、ファンドの基準価額は元に戻らない(下落する)ことがほとんどです。

【ボラティリティが原因で損失が出る例】

例えば、投資額が100ドルだとします。

(1)元の指数

  • 1日目:100ドル →10%下落して90ドルに
  • 2日目:90ドル → 10%上昇して99ドルに

このように、元の指数はわずかに下落するだけです。

(2)ブル型ファンド(3倍)

  • 1日目:100ドル → 10%下落して70ドルに
  • 2日目:70ドル → 10%上昇して91ドルに

(3)ベア型ファンド(3倍)

  • 1日目:100ドル → 10%上昇して130ドルに
  • 2日目:130ドル → 10%下落して91ドルに

この例のように、**元の指数が元の価格に戻らない相場(ボラティリティが高い相場)**では、ブル型もベア型も同じように損失を抱えてしまいます。日々の価格変動を繰り返すだけで、ファンドの価値は一方的に下がっていく傾向があるのです。


初心者が安易に手を出してはいけない理由

ブルベアファンドは、主に短期的な相場の方向性を予測し、短期間で売買を完結させる投資家向けの商品です。長期的な資産形成を目的とする新NISAのような制度には全く向いていません。

  • 短期的な相場予測が非常に難しい:プロでも難しい相場の方向性を正確に予測することは至難の業です。
  • 大きな損失リスク:わずかな値動きでも、複利の罠により大きな損失を被る可能性があります。
  • 長期投資には不向き:長期保有すればするほど、基準価額が下落していく傾向があります。

まとめ:長期的な資産形成には不向き

ブルベアファンドは、相場が一方的に動く局面で大きなリターンを狙える可能性がありますが、そのリスクを十分に理解している上級者向けのハイリスク・ハイリターンな商品です。

投資初心者の方は、まずは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のような、低コストで広範囲に分散された投資信託を、新NISAのつみたて投資枠でコツコツと積み立てることから始めるのが賢明です。ブルベアファンドは、長期的な資産形成の選択肢からは外しておくことをおすすめします。

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